リクリセミナー「人を動かすWeb戦略」に参加してきました
1月31日(土)に、いつも参加しているリクリセミナーに今回も参加してきましたので、感想をまとめて書き残します。
今回のテーマ「人を動かすWeb戦略」は、そのままぱっと読んでしまうと「人を思い通りに操る」みたいなイメージに受け止められるかもしれません。でも実際に参加してみるとそんな感じではなくて、普段人と多く関わるスピーカーの方が、コミュニケーションをとるときにどんなことを意識されているかということを、事例を交えてお話いただいたセミナーでした。
共感や発見などいろいろ印象に残る事が多く、長丁場もあっという間に感じてしまうぐらい濃い時間を過ごすことができました。 私が感じたことを書いていきたいと思います。
人に動いてもらうために天秤にかける2つの考え方と選び方
最初はサービシンクの名村晋治さんのお話で、自社スタッフの方と日々どう向き合っているのかという内容でした。
人に何かを発注するときは「任されている感」を感じてもらうことが大切
まず最初にこの「任されている感」という言葉がすごく印象に残りました。 私自身が会社員時代にものすごく忙しい日々に埋もれていて、「これ以上仕事の負担が増えると嫌だ」「面倒なのでなるべく重い仕事はしたくない」という、逃げの気持ちになってしまったことがあります。
そんなときに自主性がないことを上司から指摘されて、心が凍ってしまって悪循環になったことがあるのですが、当時の記憶と重ね合わせて聞いていると、お話がすっと耳に入ってきて深く納得して聞くことができました。
この「任されている感」を感じてもらうって実はすごく大変で、相手のことも自分のことも信じていないとできないのではないでしょうか。 名村さんが普段意識されている「外注さんと呼ばないでパートナーさんと呼ぶ」という姿勢にも、相手のことも自分のことも信じて任せるという考え方が表れていると思いますし、そんな考え方がスタッフの方にも伝わって、良い循環になっているのかなと思いました。
またセッション全体を通して「心の中に天秤棒を持つ」というテーマでお話されていたのですが、言葉を選べるように自分の中に天秤棒を意識するということは、私も実践してきたいと思いました。
天秤棒に何が載るのか、自分のこと、相手のこと、先を見通すチカラ。しっかりと考えていきたいと思います。
クライアントを動かすために必要なこと
KDDIウェブコミュニケーションズ 神森 勉さんのセッションは、ちょうど今私が課題としている内容だったので、たくさん考えながら聞くことができました。 クライアント側の方の本音を聞く機会は普段あまりないので、すごく参考になります。
セッションの中で「クライアントは自分たちの仕事に共感してもらいたいと思っている」とお話されていたのですが、その為に少し前のめりの姿勢が大切という点が印象に残りました。
神森さんとは懇親会でもお話させていただいたのですが、前のめりでクライアントの話を聞いていると「〜実はね」と、建前ではない本音を話してくれるタイミングが出てきて、その言葉が引き出せたらいいんですよと教えていただき、はっとしました。
私は日々クライアントとお話するときに、「暑苦しくないかな」とか「くどい言い回しをしすぎたかな」と自問自答することがあるのですが、自分の中に指針ができたような感じで、クライアントに真摯に向き合っていきたいと改めて感じることができました。
余談ですが
ふにすの出口さんがブログで書かれていたことと重なりますが、私は普段クライアントのことを「お客さん」と呼んでいます。これは協業している主人の影響もあるのですが、私の中で「お客さんの事をよく知りたいし、近しい存在に思ってもらいたい」という気持ちからです。
もしかしたら私自身が自営業の家庭に生まれ育ち、小さなころからお客さんと父母とのやりとりを見て育ったせいかもしれません。「クライアント」というカタカナ言葉よりも「お客さん」と呼ぶ方が、ぐっと距離が縮まるような気がするなと思っています。
SEOだけじゃない!Web集客を成功させる"先読み"コンテンツ制作術
Webライダー 松尾茂起さんのお話は、検索エンジンで検索するユーザーの気持ちや心の動きを考えて、コンテキスト(文脈、因果関係)を意識してコンテンツを制作し、Webで集客をしていきましょうという内容でした。
松尾さんのお話を聞いているといつも感じるのですが、「インターネットの向こうには人がいる」という、あたり前の事だけれども制作者が忘れがちになる事をしっかりと思い出させてもらえるように思います。
個人的に一番印象深かったのは、ポジティブに人を巻き込むというお話でした。 他人に認められたい自己顕示欲と、それをかなえつつその人の品格を守り、結果いいコンテンツにしていく。その為にデザインは力を発揮する。〜そんな一連の流れが事例と共に紹介されていて、デザイナーとしてもすごく参考になりました。
「人って面白いな。」「分からないから面白い。」「じゃあどうすれば人の心に届くコンテンツを作ることができるのか。」 そんなことをじっくり考える貴重な時間をいただいたと思います。
トークセッション
前半は、松尾さんの書籍「沈黙のWebマーケティング -Webマーケッター ボーンの逆襲」についてのお話を、担当者のKDDIウェブコミュニケーションズの吉田さんと、著者の松尾さん両方に聞くという内容で、制作の裏話などもあり、面白く聞く事ができました。 後半はセミナー全体を通しての疑問や質問を、スピーカーに聞くというスタイルで進められたのですが、それぞれの立場や考え方の違いが面白く、楽しみながら聞いておりました。
まとめ
全体を通してとてもバランスが良くて、リクリらしい相乗効果の生まれたセミナーだったと思います。
仕事をする上で避けては通れない人との関わり方をしっかりと掘り下げることによって、自分自身とも向き合えました。 またWeb制作者としては、インターネットの向こう側にいる人のことを常に考えることは必然な訳で、あたり前のことをしっかり考える機会を得るという意味でも、とても良かったと思います。
スピーカーの皆様、主催者の小山さんありがとうございました。